映画 『世界にひとつの彼女』を自分なりに読み取る ①
映画 "世界にひとつの彼女"から考える 現代式 人間関係のあり方
⚠︎ネタバレが含まれます。
まだ映画をご覧になっていない方で、内容/結末を知りたくない方はご注意ください。
2013年に公開された映画 ”世界にひとつの彼女” (英題:Her)。
ストーリーはもちろん、映画内で使用される音楽、映像美の面でも高い評価を受けた作品。
主人公を演じるのはホアキン・フェニックス。
ジョーカー(2019)とは正反対の、優しく繊細で、複雑な主人公の姿を完璧に演じきっている。
人工知能型OSを演じたスカーレット・ヨハンソンは、声のみの出演で助演女優賞にノミネートされたほどである。
奇才スパイク・ジョンズ監督が指揮を取り、
カメラは”ダンケルク(2017)”の撮影でもお馴染みのホイテ・ヴァン・ホイテマが担当した。
映画の舞台は近未来のロサンゼルス。
主人公セオドア・トゥオンブリーは、学生時代から共に過ごしている妻と1年前から別居中。
彼女との離婚届になかなかサインが出来ず、また、次の恋に進むこともできないでいる。
そんな中、明るい性格で、世界を見ることに希望を抱いた人口知能型OS サマンサに出会い、恋に落ちるのだ。
しかし、この映画を単に ”ラブストーリー” と定義するのは少し難しい。
― 愛とは何か。
私たちが生きていく上で、<最も大切にしなければいけない物>は一体何なのかを教えてくれるからである。
また”世界にひとつの彼女” を通してスパイク・ジョンズ監督が伝えようとしているメッセージは、
彼の作品 ”かいじゅうたちのいるところ (2009)” や 短編映画の “I’M HERE”でのメッセージ性と類似する点がある。
”世界にひとつの彼女”に関連した記事の更新はゆるーく、そして不定期になるが、
このブログでは、2年前に私が作成した卒業論文 "Colour Symbolism in the film, Her" を含む数々の資料を通して独自の見解でこの映画を読み、私なりの “世界にひとつの彼女 分析” を行っていく。